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2019, 5月 10

OTとITの統合がもたらす恩恵とは?

IoT (Internet of Things)とデジタル・トランスフォーメーション技術の登場により、工業運輸エネルギー医療、公益事業など、あらゆる分野の企業でその設備資産や製品、プロセスから「活きたデータ」を取り込むことが必要とされています。それには、データが生成される産業/工場オートメーション、サプライチェーン・マネージメント、設備資産監視などのOT(オペレーショナル・テクノロジー)の領域と、データが消費されるビジネスプロセスやオフィス・オートメーション、エンタープライズ・ウェブ、モバイル・アプリケーションなどのIT(情報技術)の領域とを結び付けることが不可欠です。

今日、OTとITそれぞれのドメインをインテグレーション(統合)することが必須の課題となっていますが、シームレスなコネクティビティは、IoTネットワークのエッジでミドルウェアとして機能するエッジフレームワークと、クラウドまたはデータセンタのオンプレミス・サーバー内のインテグレーション・プラットフォームにより実現されます。そしてこの組み合わせによって、生成されたデータは利用されるデータへとなるのです。

どのようにOTとITをインテグレートするのか?

OTドメインのデバイスは、自身のベアラおよびプロトコル(例、産業用プロトコル)を使用して、単数または複数の インテリジェントIoTゲートウェイと通信を行い、次にインテグレーション・プラットフォームにデータを送信します。そのデータがリアルタイム情報として加工され、IoTサービスに役立てられることになります。そして、その情報がメインストリームのエンタープライズ・サービスに送信され、過去の情報等とインテグレーションされます。

このようにして、IoTのミドルウェア・アプリケーションは、バーチャル環境にも対応するエンドツーエンドのソリューションを可能にします。つまり、データソースとデータ消費側が、産業用プロトコルのような物理的で込み入ったコミュニケーションから、抽象化されたバーチャル・コミュニケーション・リンクを通してつながるようになるのです。

OTとITインテグレーションの真の恩恵とは

OTは無数のアプリケーションが層をなしている上に、より効率的で、より拡張性に富み、よりセキュアに管理されているインフラを統合することで、新たな価値を生みだすことができます。この中には予知保全やリモート監視、リモート管理などの各機能も含まれます。IT側のメリットとしては、インフラの設置、スケーリング、保守および安全性といった必須要件を効率的に維持しながら、企業資産とのセキュアなリアルタイム・コミュニケーションを確保できる点などがあります。

その結果、運用性の向上や、プロフィット・マージンの確保、顧客維持、そして新しいビジネスモデルが実現します。オープンで明確に定義されたIoTアーキテクチャーをどのように落とし込むかが、ビジネス・トランスフォーメーションの鍵となり、そしてこれこそがIoTエコシステムの可能性を解き放ち、ビジネスをスマートビジネスに変えるのです。

一般的に工業メーカーのITインフラでは、下図に示すようなアプリケーション、プロセス、サービスが相互につながり、日々の業務を行っています。EurotechのEveryware CloudといったIoTプラットフォームを使えば、OTの世界がインテグレーションされ、フィールドのIoT資産としてセキュアなコミュニケーションが可能となります。

Enterprise IT infrastructure

iPaaS(サービスとしての統合プラットフォーム)の概念では、一般的にITドメインにおけるアプリケーション間の接続を必要としますが、Everyware Cloudは、ITドメインのエンタープライズ・アプリケーションと、OTドメインのフィールドデバイス間のブリッジとして機能します。実際にはOT側の必要要件とエンタープライズITインフラ側の要求が一致することで機能するので、セキュアなリモート・デバイスアプリケーション管理が可能となり、ITアプリケーションからも相互のやりとりができるようになります。

このインテグレーションが、OTデバイスによって生成される「活きたデータ」を、ITドメイン、すなわちデータセンタのITアプリケーションやエンタープライズ・アナリティクスへのリアルタイム・アクセスを容易にし、デジタル・トランスフォーメーションを促進します。OTとITのシームレスなインテグレーションを可能にするためには、全アプリケーションのデバイス・データに対するアクセスを可能にし、異なるエリアから送られてくるデータには、異なったアクションを取ることができるように、IoTアーキテクチャーをデータソース間に築く必要があります。

Everyware IoTによるOTとITのインテグレーション

以下はEurotechのEveryware IoTエッジツークラウド・アーキテクチャーの概略図で、OT・IT間で双方向のデータ通信をするために、フィールド上の様々なデバイスと、IoTインテグレーション・プラットフォームとの架け橋となるマルチサービスIoTエッジ・ゲートウェイがどのようにつながるのかを示しています。センサやアクチュエータなどのデータ生成側と、ビジネス・アプリケーションといったデータ活用側とを接続することにより、このIoTインテグレーション・プラットフォームは、多対多(Any to Any)の通信を可能にします。OTデバイスは、リアルタイムでITレベルのあらゆるアプリケーションと相互通信を行うことができるのです。

Eurotech Everyware IoT Architecture

OTとIT間を行き来する情報の流れをシームレスに実現することは、複雑なタスクセットが内在することを意味しますが、Everyware Cloud IoTインテグレーション・プラットフォームは、無数の垂直型アプリケーションが一体となって動き、相互通信を行うことができるように、この複雑性をカプセル化します。これによりコスト削減やタイムトゥマーケットの短縮、次世代のデジタル・データドリブン経済など、多様なニーズに対応することが可能となります。

インテグレーテッドIT及びITエンタープライズ環境とは、効率的なオペレーションとスケーラビリティ、それにアジリティーを組み合わせたものです。例えば、エッジにあるインテリジェント・ゲートウェイによって、現場サイドでデータ分析ができるようになり、その結果、「瞬時に」意思決定を行えるという、リアルタイム且つ洞察に満ちたビジネス・インテリジェンスを持つことができます。また、製造オペレーションに応用する場合でも、データ活用によって潜在的な問題を検知し、問題発生前に対処できる予知保全プログラムを導入することができます。

ビジネスを成功させるには、リアルタイムでの意志決定が極めて重要なファクターとなります。IoTアーキテクチャーは、正しい決定を導くための、生のデバイス・データと洗練されたリアルタイム・ローカルアナリティクスを提供します。この必須とも言えるアーキテクチャーとアナリティクスを上手に活用していかなければ、企業はベーシックな業務、いわばモニタリングしたものをレポートして完了といった、シンプルなオペレーションに捉われたままとなります。そのような企業はデータドリブン経済に移行することができず、遂にはアウトカムエコノミーにも対応できなくなってしまうでしょう。

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