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2016, 7月 12

FreeWire Technologies社がスマートエネルギー充電システム向けにEurotechのIoTゲートウェイとEveryware Cloudプラットフォームを採用

モバイルEV充電ステーションは、セカンドライフバッテリーを使用して、必要なときに必要な場所にエネルギーを供給します

スケーラブルなスマートエナジー・ストレージ・ソリューションへの挑戦

昨今、電気自動車(EV)の人気が高まっていますが、さらに普及していく上で妨げとなっている理由の一つが充電の利便性です。充電スポットがまだまだ少ないことも然る事ながら、ガソリンより低燃費にもかかわらず、コストが高くつくと思われていることも、人々がEVの購入をためらってしまう要因の一つでしょう。これらの課題を解決すべく、FreeWire社は、会社やショッピングモールなど公共の駐車場に停めてあるEVからEVへと移動し、手軽に充電ができるモバイル型EV充電ステーション、Mobi Chargerを開発しました。

FreeWire社は、Mobi Chargerの開発初期段階から低コスト且つスケーラブルで、充電容量を高める際に申請・許可を必要としない高速充電ソリューションを提供したいと考えていました。そのためには、Mobi Chargerに効率的でスケーラブルな最先端のIoT技術を導入する必要がありました。

そこで先ず、FreeWire社はMobi からバックエンド・サーバーにデータを送信するため、基本的な通信システムの構築から始めました。「私たちは通信プロトコルを構築するために、ローレンス・バークレー・ナショナル・ラボ(LBNL)からの開発技術者を雇いました」と、チーフ・コマーシャル・オフィサーのジャワン・スウィズローは述べています。「コンシューマー・グレードのシングルボード・コンピュータとWiFiホットスポットを利用し、開発技術者がMobiからデータを取り出して、ラックスペースに送るための基本的なコードを書きました」

開発が進むにつれて、通信システムが一通り機能していることは確認できましたが、その信頼性はまだまだ低く、変更や調整も複雑な手順を必要とし、実用的ではありませんでした。「私たちが開発していたものは、長期的なニーズにマッチするようなものではありませんでした。私たちはEV充電のデータが将来、貴重な資源になると考えていて、もっと信頼性が高く堅牢なセットアップでなければならないと思っていました」とスウィズロー氏は述べています。

そんな中、折良くFreeWire社はEurotechと出会い、その製品群がIoT通信のすべてを網羅していることを知ります。EurotechはIoTソリューションとして、ゲートウェイからセルラーアダプタ−、またデバイスでのデータ収集やクラウド送信を簡単に実現できるEveryware Cloudプラットフォームまでといったソリューションを提供していました。FreeWire社はすぐにEurotechと協力関係を結び、高信頼性かつスケーラブルな通信インフラの創造を目指すことにしたのです。

「基本的なアーキテクチャーは既にEurotechが持っていました。似たような予算で、もっと良い機能のEurotechソリューションが買えるのです。自分たちで開発し続ける理由はもうありませんでした」とスウィズロー氏は言います。

IoT用ハードウェア – ReliaGATE & ReliaCELL

FreeWire社は、Mobi Charger搭載用にEurotechのReliaGATE IoTゲートウェイとReliaCELLモバイル・セルラーアダプターを採用しました。ReliaGATE IoTゲートウェイは低消費電力のマルチサービス・ゲートウェイで、現場のMobi ChargerとEveyware Cloud IoTインテグレーション・プラットフォーム間での双方向通信を可能にします。ReliaCELLは堅牢型のセルラーモジュールで、高信頼性のセルラー・コネクティビティを、プラグアンドプレイで使うことができます。また、ReliaCELLは事前に電波認証を受けているため、関係当局や携帯キャリアの承認を得る手間を省くことができ、FreeWire社はその時間と費用を抑えることができました。

当初より開発を担当していたアプリケーションの技術者が異動となり、FreeWire社はベーシック・コードをEurotechのプラットフォームに移行させるための新たな担当が必要となってしまいました。しかしEurotechがプロフェッショナル・サービスも提供していることを知り、FreeWire社はEurotechと協働で自社のソフトウェアをEurotechのハードウェアとIoTプラットフォームに実装することにしました。これが功を奏し、Eurotechはわずか1週間で作業を完了させ、懸念されたスケジュール・ギャップを埋めることができました。

価値あるEVデータをクラウドへ

FreeWire社がMobi Chargerからのデータ収集を重視する理由が3つあります。1つ目は、リアルタイムにMobiデータへアクセスができることで、日々の業務が変わることです。例えば、長年の顧客であるLinkedInでは、オフィスでのMobi Charger管理業務を1人の担当者が行っていました。点在するMobi Chargerの位置情報や、充電中かどうか、充電が完了しているのであれば、次のEVまで移動することができるかどうかなど、多くのことを把握する必要があります。充電の完了状況を確認するために人がMobiからMobiへと歩かなくても済むには、リアルタイムでの情報が不可欠です。

2つ目に、FreeWire社は、当時の業界の大多数が無視していたEV充電データから、多くの知見や洞察が得られるだろうと考えていました。電力グリッド上の需要を予測し、十分な電力を供給することは、EVの成功にとって欠かせません。「EVは低速充電では家庭よりも多くの電気を引き出し、高速充電では10倍にもなります。ですからデータがなければグリッドに対する影響がいつ起こるのかを知ることは難しくなります」とスウィズロー氏は述べています。

最後の3つ目は、FreeWire社はMobiの動力にセカンドライフ・バッテリーを使用しているため、Mobiが自分たちの期待するレベルで動作しているかを確認するために、逐一監視する必要が出てきます。つまり、いつメンテナンスを行い、いつバッテリーを交換するのかを予測しなければならないのです。

FreeWire社は、Mobi Chargerから収集・蓄積されているデータがいずれ、いつどこでEVのオーナーが充電をしているかなど、使用状況やパターンの傾向を示してくれることを期待しています。「EVは今後、電力グリッド上で大きな負担になると予想されており、どのように充電のニーズに対処すれば良いのかを知る必要があるのです」とスウィズロー氏は続けます。

EurotechのハードウェアはEveryware Software Framework(ESF)を標準搭載しており、Everyware Cloudへと簡単に接続できるため、FreeWire社はプロセス全体を簡略化し、結果として開発時間とコストを削減することができました。

ESFは、Java OSGiで開発された、いわばオールラウンド型の高信頼性ソフトウェア・フレームワークで、現場のMobi ChargerとEveryware Cloudプラットフォームとの間をセキュアにブリッジし、IoTアプリケーションを実現します。これまでにFreeWire社はEurotechのハードウェアをいくつかの現場に導入し、Everyware Cloudのアカウントを持ち、アプリケーションを完成させています。今後はこの新しい技術をすべてのMobi Chargerにディプロイするとのことです。

「(アプリの)コードも完成したので、生産中のMobiも含め、すべてのMobi Chargerが毎日データを送ることができるように、新たなハードウェアを(追加)実装していく予定です」とスウィズロー氏は語ります。LinkedInは初期パイロット・プログラムを9か月に延長し、自社オフィスの駐車場に5台のMobi Chargerの導入を決めました。また、FreeWire社は年末までに100台のMobi Charger導入を目指しており、Eurotechのソリューションによって自社に成長と変化がもたらされていくであろうと自信を深めています。「Mobi Chargerの機能をアップデートする際、わざわざ1台ずつUSBでつなぐ必要がなく、リモートで行うことができます。一度ハードウェアを実装したら、二度と実機に触ることなくソフトウェアの更新を自動で行うことができるのです。Eurotechのソリューションは私たちのニーズに最高にマッチしています」とスウィズロー氏は語ってくれました。

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